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9月5日、小池都知事に要望書を提出

9月5日、小池都知事に「農林水産大臣への認可申請を取り下げ、豊洲市場の開場を再度延期するよう求める要請書」を提出しましたので、紹介させていただきます。

 


                                2018年9月5日

東京都知事

小池百合子 殿

                     築地市場営業権組合 共同代表 村木智義

                                                                           宮原洋志

                                                                           山口タイ

 

                               築地・女将さん会

                                  会長 山口タイ

 

 

 農林水産大臣への認可申請を取り下げ、豊洲市場の開場を再度延期するよう求める要請書

 

 

 

 本年8月1日、貴職は私たちの職場である築地市場の移転について、農林水産大臣に「中央卸売市場の位置及び面責の変更」に係る「認可の申請」を行い、これを公表されました。また築地市場では、連日のように『築地市場閉場』などの説明会が行われております。しかしながら築地市場の現場は、そのような状況ではございません。それどころか東京都からは最低限の説明もなく、公開質問状に対する回答もなく、にも関わらず強引な移転スケジュールの押し付けには多くの関係者が憤っているところです。このようなやり方は、到底受け入れることはできません。

 

 まず第一に、土壌汚染の問題です。当初は「東京ガスの操業由来の土壌汚染は全て除去」とされていた土壌汚染対策は我々の指摘してきた通り、結局は失敗して今もモニタリングでは環境基準の170倍のベンゼンが検出されています。AP1.8mで管理される予定だった地下水位も目標を達せず、地下水管理システムも失敗しております。専門家会議は新たに2.4mという目標値を設定せざるを得ない有り様です。この状態で一体何が『安全宣言』なのでしょうか。現状は「生鮮食料品等の卸売の中核拠点として適切な場所」とは到底言える状況ではない、というのが現実なのではないでしょうか。

 

 また、今築地市場で衝撃が走っているのは駐車場などの使用料です。これまで私達は施設使用料の詳細について明らかにするように再三に渡り求めてまいりましたが、今回の「認可の申請」により隠蔽されてきた駐車場料金などが公表される事となりました。

 そうした中で、都内に4店舗展開しているある寿司店は軽車両2台で月間2万数千円の茶屋銭を支払っているという事ですが、これが豊洲市場では10万円を超えるという試算に驚き、私達営業権組合に連絡をしてきました。

 また別の運送業者の方は、現在築地市場では毎月約70万円の茶屋銭を支払っているという事ですが、使用する車両台数は全く同じであるにも関わらず豊洲市場では月に200万円を超える請求を受けていると伺いました。現在の支払額の約3倍以上という金額ですから、事業を継続出来なくなる可能性がある極めて深刻な数字です。

 そして、同様の訴えが続々と私たち築地市場営業権組合に寄せられています。そしてその多くが納得していません。

 

 駐車場の不足についても深刻です。日刊食料新聞によれば、東京都は8月29日に江東区議会特別委員会に「5街区千客用地に駐車場整備・来年末までに450台増設」を説明したということですが、これは「認可申請」の時点で、必要な「規模」を有していなかったという事になります。と同時に、来年末までの間は一体どうするのかという問題なのです。同日同紙には「臨海部BRT 整備スケジュールを改定」という記事もあるように、交通アクセスについても行き当たりばったりの行政が行われています。これについても「認可の申請」などという状況ではありません。多くの市場関係者・労働者が、豊洲市場までの“あし”を確保できないでいます。

 

 また、ここであらためて指摘いたしますが、この移転計画が営業権の侵害であるということです。これについては、既に内容証明を送付しましたが、築地市場の関係者の大多数はこの移転計画については合意したものではありません。したがって貴職が、どうしてもこの移転計画を進めようとするならば、移転に係る費用を東京都が負担するのは当然であります。にも関わらず、平成30年8月20日付「築地市場閉場に伴う市場施設の造作等の取り扱いについて(通知)」によれば築地市場の閉場に際して仲卸業務の許可を任意に取り消せるかの如く書かれていますが、東京都中央卸売市場条例第28条には仲卸業務の許可を取り消す場合の要件が定められており、同条に抵触していない業者の「使用資格」を消滅させるには、当然営業権に対する補償が必要となります。そして補償のないままこの移転計画を進める事は営業権に対する重大な侵害であり明白な違法行為です。

 

 以上、ごく掻い摘んだ問題を挙げましたが、それ以外にも問題は山積しております。つきましては、以下の通り要請するとともに、今週中に回答することを求めるものです。

 

 

【認可申請について】

1. 以上のように豊洲市場の開場には多くの問題が未解決のまま放置されており、このまま進めれば大きな混乱を招くのは必至である。

 ついては、農林水産大臣への「認可申請」については東京都の責任で取り下げ、豊洲市場の開場についても再度の延期をすること。

 

【農林水産省と同等の対応を】

2. 本年8月1日、私たち築地市場営業権組合及び築地女将さん会で農林水産省に意見交換をお願いしたところ、快く受けて下さり、マスコミ・メディアも入れた上で、あらゆる質問に対応をいただきました。農林水産省にできることがなぜ当事者である東京都にできないのか。農林水産省と同等の対応を強く求めます。

 

【土壌汚染対策について】

3. 豊洲市場用地の土壌汚染問題について国は「食品流通の重要な基盤である卸売市場の問題であることから、農林水産省より、築地市場の移転を計画している東京都に対し、食の安全性や信頼が確保されるよう科学的見地に基づき万全の対策を講じるとともに、消費者等に対して対策の内容等について十分な説明を行い、その理解を得るよう求めているところである」としている。にも関わらず、貴職らは「追加対策工事」以降、土壌汚染問題について一切説明をしておりません。

 つきましては、東京都による土壌汚染の対策の内容等についての説明会の開催を強く求めます。

 

【豊洲市場「杭打ち偽装」問題について】

4. 週刊現代(9月1日号)に『豊洲市場「杭打ち偽装」施工業者が決意の告白』との記事が掲載された。この問題について貴職は定例会見の場で、施工した「熊谷組から安全と聞いた」旨の説明をしている。ところが記事を拝読したところ、内部告発の内容は、施工業者・施主・設計ぐるみで「隠蔽」したというもので、「熊谷組から聞いた」では説明になっていない。「杭のカット」については東京都も認めているのだから、施工された内容と設計図とはどのように異なり、大丈夫だと言うのならば設計者が直接説明するべきではないか。

 何れにしても、この問題を曖昧にすることは許されず、建設現場の作業員などへの聞き取りなども含め徹底した調査をし、十分な説明を求めます。

 

【築地市場の廃棄物処理問題について】

5. 築地市場田中賢也場長より8月20日付で発出された「築地市場閉場に伴う市場施設の造作等の取扱いについて(通知)」の内容は、我々としては全く納得が行かない。文書中に「市場移転は、都の事業計画に基づく」とあるように、公共事業による権利侵害なのだから、本来は全額が補償の対象でなければならないはずであり、この問題について真摯な話し合いを強く求める。

 また「申請書」及び提出期限の設定方法、廃棄物処理協議会については疑義があり、当然留保する。期限までの申請がなかったことや、協議会への未加入を理由にした不利益取り扱いなどがないようにされたい。

 

【築地市場の閉場について】

6. 我々は豊洲市場への移転に同意していない。しかし、廃棄物処理もそうだが、これら提示されたスキームは「事業者が好き好んで豊洲に移転したがっている」というものであり、現実とは異なっている。当然、電気・電話・ガス・水道などを止める場合は、補償を求める。補償がまとまらないままこれらを止めることは違法行為であり、営業権に対する侵害である。話し合いのないまま、これらを止めるようなことのないよう、強く求める。

【シャトルバスについて】

7. 築地市場環境整備協会からシャトルバスの案内があったが、これは一体どういうことなのか。非常に不透明だが、どのような免許で、どのような運営になるのか明示されたい。またあまりにも本数が少なく、帰りのバスもないと聞くが事実か?

 

【市場内の撮影許可について】

8. 現在、築地市場の場合、仲卸売場の撮影をする場合は東卸協同組合の許可を受け、それを東京都に提示して撮影が行われている。ところが、移転に反対する仲卸業者をメディアが撮影申請しても東卸協同組合が許可せず、テレビには特定の方ばかりが出るという弊害が生じている。

 これを是正するために、今後、築地市場営業権組合でも撮影許可を受け付けようと考えているがどうか。貴職にもご協力をお願いしたい。

 

                       《築地市場営業権組合》        

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  • Author:tsukiji-okami