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水産庁の漁業制度改訂提案に反対する、漁業経済研究者の声明(その2)

私たちは、沿岸漁業への企業参入に反対するものではありませんが、現に漁村で生業を営んでいる沿岸漁業者への配慮を持たないこの改訂案が現実の政策となった場合には、①客観的基準にもとづく公平な行政から、行政機関の裁量にもとづく恣意的な行政への変質が進展せざるを得ず、行政機関と漁業関係者間の対立が深刻化すること、②多様な魚種を対象とし、漁場を重層的に利用してきた日本の漁業に適合的な資源管理、漁場利用、漁業調整の方式が、漁業者数も魚種も限られている欧州諸国の単純な制度に置き換えられ、操業・経営の現実との齟齬が顕著になること、③沿岸漁場を総合的に活用し、公益的な多面的機能も担ってきた漁業者集団と漁協が弱体化され、漁村がもっぱら個別的利害追求の場になることなどの弊害が避けられないと確信しております。

以上の理由から私たちは、水産庁の改訂案に反対するとともに、漁業制度を支える理念と歴史的経緯に配慮し、現行制度の利点を尊重しつつ、無謀な改訂構想に対抗する方策を周知を集めて構築すべきことを強く主張します。

 

 

 

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  • Author:tsukiji-okami