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水産庁の漁業制度改訂提案に反対する、漁業経済研究者の声明(その1)

5月24日、水産庁は現行の漁業制度を大幅に改訂する構想を発表しました。その内容は資源管理、水産物流構造、漁場利用方式、漁協のあり方など、漁業制度の全体を大きく変えるものであり、それを性急に実現しようとすれば、漁業関係者の中に取り返しのつかない大きな混乱と対立を持ち込むことになると判断されます。したがって私たち漁業経済研究者は、この内容を制度化することには強く反対します。

改訂案は、①資源管理方式については、個々の漁船・経営体への漁獲枠割当方式を基本とすること、②水産物流通のあり方については、大半の漁業者には無縁な輸出のための基準を施政の柱として、流通インフラの大規模産地への集約化をめざしていること、③遠洋・沖合漁業については、資源管理のために重視されてきた漁船規模規制を撤廃して大型化を進める方針をとること、④沿岸漁業については、養殖業・定置漁業への企業参入を促進するために漁業免許の方式を大幅に変更し、公正に免許対象者を決定する現行方式から、行政の裁量権を大幅に強め、行政が効率的であると見なす企業経営体を優遇すること、⑤地元の資源と就業機会に依拠して生活している沿岸漁業者を軽視して、専ら参入企業の個別利益を尊重していることなど、漁業経営や関連産業のあり方に重大な変更を迫るものです。

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  • Author:tsukiji-okami