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森一族VS大和屋助五郎(その6)

中沢新一先生です。

「大和屋助五郎は、産地と小売の間をつないでいる、独立性をもったさまざまな仲買人の連鎖を一掃する「仲抜き」を断行して、単一の「ヤマトヤシステム」をつくりあげようという革新的試みに挑んだ。しかしそれは、ここではついに大勢となることがなかった。最終的に、伝統的システムのほうが勝ったのである。

日本橋魚河岸でふたたび勢力を回復した、佃島と森一族につながる問屋たちは、大小さまざまな問屋群の連携·連鎖でなりたつ伝統的な流通システムに、さらなる改良と磨きを加えて、現代まで続く江戸東京の魚河岸文化の原型をつくりあげていった。

たとえば今日の築地市場で、大きな存在感をもって活動し続けているのは「仲卸」(なかおろし)と呼ばれる人たちである。この仲卸がつくりあげているネットワークが築地市場をじっさいに動かしているといっても、過言ではない。その仲卸システムは、日本橋魚河岸で形成された仲買人制度から発達してきたもので、それが明治維新、関東大震災に続く築地市場への移転、東京大空襲、敗戦をへても、本質を変えずに生きた続けてきた。」

 

 

 

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  • Author:tsukiji-okami