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森一族VS大和屋助五郎(その5)

十八世紀に財政難となった幕府は、魚介類の納入のやり方を、「直納」(じきのう)から「請負」(うけおい)に変えていきます。直納では、出入りの御用商人たちが、せりで魚を吟味して、お城の膳部に納入します。しかし請負では、問屋が直接お城に納入します。しかも請負人になった問屋は、魚料理の下ごしらえまでしなければなりませんでした。

この幕府の要求に、森一族は待遇改善を要求しましたが、大和屋助五郎は、「今の条件でけっこうですから、私が一人ですべて責任をもって請負の仕事をいたしましょう」と申し出、森一族の問屋まで自分の配下に組み込みます。

しかし、ここで大和屋助五郎に慢心がでます。独占したお城への魚介類の納入の報酬額を、仕事ををした配下の問屋たちに分配せずに、自分のふところに入れてしまいます。この状態は数年も続き、とうとう森一族の問屋から訴えが出され、魚河岸は物騒な出入りがいつ発生してもおかしくない状況に陥ります。

そこで幕府は、大和屋助五郎から納魚請負人の地位を取り上げ、待遇改善したうえで、森一族の問屋にこの職を返します。この一件をきっかけに、森一族の問屋は魚河岸における勢力を、ゆっくりと回復していきます。

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  • Author:tsukiji-okami