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森一族VS大和屋助五郎(その2)

森一族の、日本的流通システムです。

中沢新一先生です。

「産地側から言えば、問屋と契約を結んだ「持浦」(もちうら)の漁師他たちが漁った魚介は、産地仲買人である「旅人」(たびにん)によって集荷され、「押送船」(おしおくりぶね)に積み込まれ、最速の航海で日本橋まで運ばれてくる。押送船はまず所定の船宿で、集荷の簡単なチェックを受けてから、荷を問屋に搬入する。

ここでルートが三つに分かれる。江戸城に納入される分は、問屋に出入りしている「御用聞商人」(ごようきき)の手によって、お城に運ばれる。

二番目の問屋は、「殿持問屋」(とのもちとんや)である。これはもっぱら、大名屋敷への納入を専門にした問屋である。この連中も大問屋にたむろしていて、荷が入ると必要な分を買い取って、大名屋敷に届ける。

江戸の庶民にもっとも関係の深いのが、三番目の問屋である「仲買」(なかがい)である。仲買は毎朝のセリによって落とした魚介類を、市中にある「肴棚」(さかなだな)という常設の魚店に卸したり、一心太助のようなかっこうをした、「棒手振」(ぼうてふり)と呼ばれる流しの小売商人に、売り渡す。このとき、二度目のセリがおこなわれる。仲買は問屋からセリ落とした魚介類を、今度は小売商人たちにセリ落とさせるのである。」

 

 

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  • Author:tsukiji-okami