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大和屋助五郎(やまとやすけごろう)の登場(その1)

御用商人として、勢力を誇っていた森一族の魚商人ですが、大和郡山の大和屋助五郎なる強力なライバルが現れます。

中沢新一先生です。

「大和郡山はそのころ綿花の大産地に成長しつつあったから、才覚のある助五郎は、漁村からイワシを仕入れて肥料に加工し、それを売ってそこそこの財をなした。そのうちたまたま大阪の雑喉場市場(ざこば)で、三代将軍の家光が上洛の折りに、駿河で食した鯛をたいそう気に入り、以後鯛を食膳に欠かさなくなった、という噂を聞きつけた。

それまでは、鯛はお祝いに欠かせない高級魚ではあったが、家康が鯛の天ぷらにあたって亡くなってからというもの、将軍が好んで食べる魚ではなかった。ところが風向きが変わった。これからは鯛の時代になるであろう。そのように時代を読んだ助五郎は、生きたままの鯛を市場に調達する、新しい商売のやり方を研究しはじめた。」

 

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  • Author:tsukiji-okami