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一心太助

一心太助は実在の人物ではありませんが、江戸の庶民に広く親しまれた物語です。

中沢新一先生です。

「ときは三代将軍家光の治世、小田原藩主の弟にして軍功ある旗本、大久保彦左衛門は家光の信任厚く、ときにはずけずけと、将軍の耳に痛いことまで進言できる人物として名高かった。この人がまだ小田原にいた頃、腰元のお仲が重物の皿を一枚割って、お手打ちになりそうになった。この話が出入りの百姓一心太助の耳に入った。太助は大久保彦左衛門の目の前で、残りの皿七枚を割って人の命と皿とどっちが大事だと、大久保彦左衛門に意見して迫った。この一件で大久保彦左衛門に大いに気に入られた太助は、お仲と結婚して、彼女の実家の家業をついで魚商人となります。大久保彦左衛門は、庶民のまっさらな意見を知るために、その後も太助をひんぱんに屋敷に招いて、率直な意見や感想を求めるようになった。

彦左衛門が旗本として江戸に移ると、一心太助もそれについて江戸に移住し、小田原出身の魚商人の多く住む、小田原町に住み着いた。ここはのちに、築地市場のつくられることになる因縁の土地である。」

 

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  • Author:tsukiji-okami