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大阪城と森孫右衛門

大阪城に魚介を納入する漁民としては、端しっこの地位にいた森孫右衛門ですが、徳川家康の家臣である安藤対馬守(つしまのかみ)がこの事に目をつけ、スパイとして大阪城に送り込みます。

中沢新一先生です。

「「御魚御用」の船と言えば、疑われることなく大坂湾を航行することができるし、大阪城城下にも着岸することができる。そのまま魚介を天秤棒に担いで、お城の台所にまで、深く入り込んでいくことさえできる。安藤対馬守は、森一族を利用して、そのころ緊張の度合いを高めていた大阪城の豊臣秀頼の動向を、探らせようとしたのである。

台所には女たちもしょっちゅう出入りしているので、城中の噂話などの花も咲き、そこにいるだけでたくさんの情報を手にすることができる。森孫右衛門の郎等は、御用聞きに来ているふりをして、そうした噂話に耳を傾けていさえすればよかった。納入される魚介類や野菜の量を見るだけで、いま場内にどれほどの人数がいるのかも推測できる。ようするに、森一族は、一種のスパイとして、大阪城内に送り込まれたわけである。」

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  • Author:tsukiji-okami