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王権と自然

中沢新一先生です。

「日本の文化と政治では伝統的に、自然と文化を二つに分割するという、西洋的な考えはとられなかった。自然と文化は相即相入で、お互いが入れ子になってつながっている。そのために、王権のトップと自然の申し子のような人々が直接つながるという、不思議なシステムがつくられてきた。天皇と賊民が深いところでつながっているのだ。

この視点から見ると、八坂神社の祇園社駕輿丁(かようちょう)でもある今宮漁民のような存在は、まさにその日本的原理の典型である。彼らは海からの食材を、内裏の膳所に直接運び込む。その食材は調理されて、新鮮なうちに天皇とその周辺の人々に食され、彼らの体内に取り入れられる。彼らが自然食材を食すのは、自然を支配するという意味でもあり、そういう意味で、今宮供御人は、王権と海の自然をつなぐ媒介者なのであり、彼らが荒々しい自然児であることにも、深い意味がある。」

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  • Author:tsukiji-okami