お知らせ

古代の市場の雰囲気

文化人類学者の中沢新一先生による、古代の市場の雰囲気の想像です。

「市場では商人どうしが値段交渉の真っ最中である。二人のやり取りは緊迫感をはらんで、まるで戦闘中の戦士のように見える。相手の思惑を瞬時に判断して、言い値を切り崩して、自分に有利に事が運ぶよう、知略の限りを尽くして、戦いを仕掛ける。しかし双方の主張に折り合いがついて、交渉が成立するやいなや、和気あいあいの雰囲気が復活して、笑って二人は別れていく。

市場の周辺では、恋の駆け引きまで起こっている。歌垣の形式が定まっている市場は、男女の出会いの場でもあったからだ。

古代の市場は武器を用いない戦場であり、治外法権の場であった。それもこれも、市場が人間世界の外にある自然力との接触面に「立つ」ものであったからだ。」

 

  • Category:
  • Author:tsukiji-okami