お知らせ

8月23日、小池知事へ公開質問状を提出しました。


8月23日、「無害化されていない」「安全宣言をする必要はない」という豊洲新市場への移転を進めている事への説明がなされていない為、築地女将さん会は東京都知事宛に「築地市場移転問題に 関する要請と公開質問状」を提出する為都庁に赴き、記者会見に臨みました。

昨年8月31日、就任して間もない小池都知事が築地の豊洲移転を 一度立ち止まって考えると表明。それから今年6月20日の「築地は守る 豊洲は活かす」までの 様々な問題提起に何が何だか理解に苦しんでおります。
小さな仲卸の私は、小池都知事が立ち止まって下さった事で変化した事、築地市場がどれほど優れた機能を持っていたのか、築地の市場は場内、場外、そして築地の街全体で成り立っているのだと改めて再認識出来た事です。
会長はじめ私達は 只々、80年の歴史と先人の知恵や粋の世界を、この築地の言葉では言い尽くせない雰囲氣を、次世代の若者に引き継いで貰いたい、それだけです。
諸問題をうやむやにせず 納得の行く説明がいただきたく会見に臨んだ次第です。
会見を終えてから、公開質問状を 都の方に託して都庁を後にしました。(築地女将さん会・新井眞沙子)


                                     2017年8月23日
東京都知事
小池百合子殿
                                     築地女将さん会
築地市場移転問題に関する要請と公開質問状

本年6月20日、都知事は「築地は守る、豊洲は活かす」「豊洲市場は、冷凍冷蔵・加工等の機能を強化し、ITを活用した総合物流拠点とする」「東京都は、事業者の皆さま、都民の皆さまの信頼回復に徹底的に取り組む」とした『基本方針』を発表されました。しかし『基本方針』では「新たな築地の姿」として「仲卸の目利きを活かしたセリ・市場内取引を確保・発展」としながら「中央卸売市場は豊洲」など、相矛盾する内容がとても多く、また特に、築地の再開発については全く具体性がありません。私たち築地女将さん会の間でも「都知事は、何か勘違いをされているのではないか?」と既しがっている次第です。
 「築地市場と豊洲市場の両立」あるいは「一時移転」、「戻りたい人が築地に戻る」など聞こえは大変よろしいのですが、これまで長年の話し合いの中で、二度にわたる引っ越し費用、物流や施設などの調整や労力などから、最も実現性に乏しいのが、「一時・仮移転案」だったとも聞いております。実際、新市場建設協議会ではほとんどの業界が疑問の声をあげています。都知事が「築地は守る」と仰られるのは大変に嬉しいのですが、私たちが築地市場で営んでいるのは具体的な水産仲卸の事業です。この事業を継続してい<責任が私たちにはあります。その観点から、この『基本方針』につきましてはいま一度立ち止まることをお願いしたいと思います。

 また、本年6月17日、都知事は築地市場においでになり、豊洲新市場の土壌汚染問題について「無害化(東京ガス操業由来の汚染物質は全て環境基準以下にする)」が未達成である事について謝罪をされました。しかし、今回発表された『基本方針』や「市場のあり方戦略本部」「関係局長会議」では、専門家会議の提言を実施した上で「豊洲市場への早期移転に全力で取り組むこと」となっています。
 あらためて申し上げるまでもなく、「東京ガス操業由来の汚染物質は全て除去」は都議会の付帯決議であるだけでなく、私たち築地市場の関係者・消費者との「約束」でもあるのです。もちろん「約束」の内容が永久に変更できないということではありませんが、「約束」の内容を変更する場合、「約束」した相互の合意がその前提となります。
 今回、都知事は謝罪はされたのですが、「約束」の内容について変更の申し出はなく、また合意の手順も踏まれておりません。とうぜん、今の時点では前の「約束」が生きているものと私たちは考えますがいかがでしょうか。

 そしてもう一つは「責任」の問題です。小池都知事の就任以来、市場問題プロジェクトチームや、再開された専門家会議などの検証で、これまで隠されてきた多くの問題が明らかにされました。これについては「延期」の決断とともに深く感謝をしております。しかし、それら問題の責任の所在についてはどうでしょうか。必ずしも明らかになったとは言えないのではないでしょうか。
 例えば長年に渡って東京都は「4.5メートルの盛り土があるから安全」と私たちに説明してきました。しかし皆さんご承知のように、約束の盛り土はされておらず、それ故に豊洲新市場の環境は専門家会議で「将来のリスク」については“ある”という評価になっています。この責任は誰にあるのでしょうか。少なくとも私たち築地市場の関係者の責任ではありません。しかし、今回都知事が発表された『基本方針』では一定の追加対策は行うとされているものの(市場会計から支出される)、結局は市場関係者に我慢をさせる事で解決を図ろうとしておられます。そして将来のリスク、コストについても、このままでは市場関係者が負うという事になるのではないでしょうか。
 土壌汚染の問題だけではありません。物流や施設・設計、交通アクセス、環状2号線など問題は山積し、そのために市場会計は既に大きく毀損されておりますが、そうなった原因・責任の所在は不明確なままです。私たちはこれらの問題について責任関係を明確にして、その責任に応じた負担によって解決するべきだと思います。

 以上、私たちの勝手を申し述べましたが、築地市場の水産物取扱数量は全国の中央卸売市場全体の4分の1を超えるという巨大なものです。そして先人が残してくれた、この築地市場のおかげで全国の生産者、東京中の小売店・消費者が守られてきたのだと思います。都知事は「築地は守る」と仰いました。私たちはこの言葉を信じております。何卒、この問題の解決におかれましては、『基本方針』については立ち止まり、オリンビック計画とは切り離して十分な時間をかけ、幅広い合意形成の下に決定がされるようお願い致します。
尚、不躾では御座いますが、上記「『基本方針』について」「約束について」「責任の所在について」の三点、及び下記の事項について都知事より文書にてご回答を頂きたく存じます。お忙しい中とは思いますが、宜しくお願い致します。

質問事項
1. 都知事が発表した『基本方針』にあるように、仮に一時的であれ築地市場を移転する場合、私たちは関係者の合意形成が何よりも重要だと考えます。私たちが本年3月に提出した「移転中止を求める請願署名」が全仲卸事業所の7割を超えているように、移転計画の中止を求める声は圧倒的です。このような現状を踏まえれば『基本方針』を実現するのは非常に難しいのではないかと考えますが、都知事のお考えをお聞かせください。
 また、仮に合意が得られなかった場合どのようになさるのか、合わせてご回答をお願い致します。

2. 豊洲新市場の土壌汚染について、私たちを含め多くの市場関係者が現在も不安に思っております。これは決して根拠のない不安ではありません。豊洲用地は当初、汚染原因者である東京ガスが約100億円を費やして大規模な土壌汚染対策を講じました。しかし東京都による土壌汚染調査では更に大規模な汚染が発覚し、市場会計から860億円という史上最大の土壌汚染対策が行われることとなりました。にもかかわらず現在もモニタリングで基準の100倍の汚染が検出されています。結局、豊洲用地は二度にわたる大規模工事にもかかわらず汚染除去に失敗した土地なのです。しかも、約束であった盛り土はなく、地下水管理も目標(全ての地点で地下水位をAPl.8メートルで管理)をただの一度も達成していません。そこで伺います。
① モニタリングで汚染が検出されているからには、汚染は残っていると考えられます。率直に伺いますが、豊洲用地にはどの程度の濃度の汚染がどのような範囲で残置されていると考えられるのか、私たちは「わからない」と考えますが(それが不安の大きな根拠です)、そこをお教えください。またその科学的根拠についてもお教えください。
② 上記のように豊洲新市場の地下水位については、これまで一度も目標を達成していません。これは残置された汚染の拡散による再汚染という心配があり、また液状化対策の効果に大きな不安を残すものです。『基本方針』では「地下水管理システムの機能強化」をするとしていますが、これで果たして目標水位を達成できるのか、大変に不安に思うところです。ついては、達成できるとするならばその根拠をお教えください。
また、仮に達成できなかった場合どうするのか、費やされた予算の責任を誰がどのように取るのかお教えください。

3. 8月4日に行われた市場問題プロジェクトチーム会合でまとめられた『二次報告書』には、豊洲新市場の「安全宣言」について、それが必要ないとも取れる旨の記述があります。都知事は『基本方針』で、どのようなかたちであれ豊洲への「早期移転」を仰っているのですから直ちに「安全」を「宣言」する必要があると考えますがいかがでしょうか。「安全宣言」をなさるのか、なさらないのか、都知事のお考えをお聞かせ下さい。

4. 都知事は「豊洲市場への早期移転を円滑に行うことを最優先事項」とし、大変に急いでおられるように見受けられます。報道などによれば、これは築地市湯の敷地に予定されている環状2号線が東京オリンピックの重要動線であることと関係するということです。しかし私たちが伺ったところ、環状2号線の工事については築地市場取引業務運営協議会に設置された部会などで市場関係者と調整し、その工事は卸売市場業務に支障を来さない範囲であることを条件に進められてきたものです。
そこで卒直に伺いますが、環状2号線の工事のために築地市場をどかすなどということが法的に可能なのかどうか、お答え頂きたく思います。

5. 築地市場の再開発について『基本方針』では「食のテーマパーク」などとしておられます。しかしよく拝見すると、これは築地場外市場と競合するものと見受けられます。築地の場外市場こそ「食のテーマパーク」そのものだからです。つきましては、この『基本方針』の策定にあたって場外市場の皆さんとどのような話しをされたのか、されなかったのか、お教えください。

6. 今回の『基本方針』について、築地市場・水産仲卸に対しては本年8月2日~3日にかけて、全組合員への説明会を開いて頂きました。しかし、私たち築地女将さん会には水産仲卸以外にも、青果や関連事業者、また既に市場から引退をされた方もおります。
 つきましては、水産仲卸だけではなく、築地市場の全ての関係者が参加・質問することができる説明会の開催をお願いいたします。

以上
※尚、回答につきましては本年8月31日までに、FAXにて頂けますようお願いいたします。

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